新型コロナ感染が広がる中で

新型コロナの感染がいつ終わるのか、先が見えません。専門家の中には、ワクチンが多くの人に接種され、特効薬が出てくるまでは終わらないという人もいます。
ということは、どう楽観的に考えても来年半ば過ぎまでは、今の状態が続くことになります。
もし施設に我が子が入所していれば、なんと2年近くに渡って会えない事態が続くことになるかもしれません。
在宅であれば、介護する側も外部との接触が絶たれる中、すでに半年以上も緊張の連続を強いられてきているのに、それがさらに続くことになるわけです。肉体的にも、精神的にも耐えていけるか、追い詰められたような気持になってきます。
親が高齢の場合、2年という時は決して短い時間ではありません。その間に親の方が参ってしまうかもしれません。そんな危機的な状況の中、守る会として、会員とご家族、特に当事者のために何ができるのか、あるいはすべきなのかを考えてきました。
率直に申し上げて、会の活動を中心なって支える役員会すら満足に開けない中、できることは限られています。

私はこの困難な時期の活動を3つの重点に絞って、皆さんにもご協力をお願いしたいと考えます。
一つ目は、何より日頃から医療的ケアが必要な当事者に対し、新型コロナ感染予防と万が一かかった場合の対策が優先的に行われるよう、国や県、市町村に働きかける事です。
これについては、全国守る会が厚労省と文科省にそれぞれ5月に要請を出し、県・守る会として、7月に県に対し要望書の提出と懇談を行いました。
さらに、8月には横浜市の担当部署と面談する予定です。他の市町村にも、可能な限り足を運んで重心の方たちへの格別な配慮をお願いしていきたいと考えています。
その際に、市町村へは具体的な要請の方が、先方も対応しやすいこともありますので、皆さんの困りごと或いは行政に相談したいことをお近くの役員か、私、中村までご連絡ください。
(電話 080-5659-4050、メール kana-mamorukai@jcom.home.ne.jp)
役所や関係機関に同道して、サポートすることも可能ですのでご遠慮なくお申し出ください。

二つ目は、支援してくださる方たちへの感謝の気持ちを伝えることです。
言うまでもなく、重心の方は、日ごろから多くの方に支えられていますが、この非常事態では、支える側の方たちは自分たちにも降りかかるかもしれない危険を顧みず、普段よりも数段高い努力と注意力をもって、介護や医療、さまざまな支援をしてくださっています。
県・守る会として、5月に県内12の重心施設に感謝のメッセージを届けました。
これからも機会あるごとに、感謝の気持ちを伝えていきます。また、すでに皆さま実践しておられることと思いますが、皆さまお一人お一人の立場からも、言葉に出してお礼の気持ちを伝えていただくようお願いします。

三つ目は、守る会を維持することです。ご承知の通り、総会も書面審査となり、役員会も満足に開けず、まして皆さまにお集まりいただくようなイベントは開けない状態です。
それでなくても、会員の高齢化、家族会の弱体化などの問題を近年抱えている中、この新型コロナ禍による会合自粛等は、会にとっても大きな打撃です。
重症心身障害児という障害の区分が年々薄まる中で、重い重複障害児者には特別な施策と支援が必要であることを、社会に発信し、要請していく全国及び県単位の組織の存在はますますその重要さを増しています。
コロナ禍の中ではみんなで集まる活動を控えたとしても、平常化すればこれまで以上の力を以って活動を再開するという信念のもと、この困難な時期を乗り切っていかなければなりません。
「もっとも弱いものを一人ももれなく守る」、この理念を次の世代にもつなげていけるようぜひとも皆さまのお力をお貸しくださるようお願いいたします。

中村紀夫