神奈川県重症心身障害児(者)を守る会

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神奈川支部 : 伊藤 光子




障害福祉の窓口を訪問して  相談サポート・プロジェクト・リーダー 中村紀夫

障害福祉の窓口を訪問して  相談サポート・プロジェクト・リーダー 中村紀夫

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昨年8月に神奈川県庁の障害福祉課への訪問をかわ切りに、これまで(6月末現在)14の市町村の障害福祉窓口を訪ねました。それぞれ1時間半ほどの時間をかけて、障害福祉担当の課長さんおよび担当のスタッフの方々に、その地域の特に重症児者の福祉施策についてお尋ねし、守る会から「重症児者をお忘れなく」というお願いをしてきました。

 

こちらのメンバーは伊藤会長、伊左次事務局長、肥土副会長それに中村が常連で、吉田会長代行や他の役員も随時参加、さらに地域に住む会員も加わります。

また時には相談サポートに相談を寄せてこられた方も同席され、具体的な問題について行政にお願いすることもありました。

何故、行政訪問を?

神奈川県には市区町村だけで33か所あり、さらに区の行政単位、重症児の窓口として重要な役割を担う児童相談所、あるいはこれからの重症児者サポートでキーとなる基幹相談支援センターまで含めると、守る会としてアピールをしていかなければいけない窓口は優に100を超える数になります。

先ずは市町村の障害福祉窓口から始め、それを2年とか3年近くかけて全部まわり終えたら、次に重症児者の福祉に影響がある関連窓口を訪ね、そしてまた振出しに戻る、そんな終わりのない活動になります。

何故そんな気の遠くなるほどの時間とエネルギーをかけてやるのでしょうか。

それは、守る会の「もっとも弱いものをひとりももれなく守る」使命に直結する活動だからです。

多かれ少なかれ社会にその身をゆだねざるを得ない重い障害をもった人たちに代わって、行政あるいは福祉関連機関にお願いをする、それこそが北浦会長が始めた「守る会活動」の原点であったはずです。

また、これまでは国や県に要望書を出し、本部が厚労省に、支部が都道府県にお願いをしていけばよかったことも、平成24年の法改正で、市区町村の役割が増えたことにより、市区町村にたいして、地域に密着した、より具体的なお願いをすることが大変重要になってきました。

神奈川県の守る会が、相談サポートとともにこの行政訪問活動を最優先で取り組む理由がそこにあります。

これまでの訪問で感じたこと

まず、感謝したいことは、訪問を希望して断られたことが一度もないことです。

もちろん、1か月前くらいに電話でお願いし、さらに正式に要請状も出すのですが、どこでも課長さん以下複数のスタッフが出席、予め出しておいた質問にも丁寧に答えてくれます。

50年前に守る会の活動を開始した当時のエピソードからは想像もつかないほど、現在の行政機関が障害者福祉に力を注いでくれていることを実感します。

次に、私たちが一番懸念していた「地域社会での自立支援強化」というスローガンのもと、障害者福祉の主な窓口が県から市区町村に移され、その過程でサービスの低下や混乱が起きてはいないかということです。この点については、少なくともこれまで回ったところで大きな問題は生じていないようです。

ひとつだけあるとすれば、施設入所の斡旋に関して、これまでは児童相談所を中心にした県全体での調整機能が働いていたのが、自前の、あるいは近隣に施設を持たない市町村は入所希望のニーズに応えにくくなっていないだろうかということです。

例えば、相談サポート活動の中でも湘南や県央に住む方から入所希望の相談がありましたが、その希望を当該の市の窓口に伝えても、なかなか希望に応えられないという現実があります。

数の上ではマイナーである重症児者にとって究極の選択となる施設入所を保証するためには、どうしても狭い行政区画ではなく広域の施策が必要となります。

神奈川県全体の予算を付加する形で、例えば、湘南や県央に1か所ずつでも重症児者向け施設を作っていただくか、あるいは県が調整の中心となって自前の施設の無い市町村の住民にも斡旋の労をとる役割をはたしてほしいと思います。小さい行政単位のメリットが生かされているケースもあります。

神奈川県で唯一つの「村」である清川村を訪問した時に伺った話です。

人口3,100人の清川村には、重症児にあたる方が1人いらっしゃいますが、その方の医療ケアーが必要になり横浜療育園に短期入所した際、村に3名居る保健師の中の一人が付き添って行ってくださったとのこと。これは日頃から保健師の方がコンタクトし、かつ自在にサポートできる体制でなければできないことで、小さな行政単位のメリットがまさに生きたケースと言えましょう。我々訪問者の一人が「清川村に移住したくなった」と思わず漏らすほど、他にもきめが細かく暖かみのあるサービスがされていたのです。

絶え間のないアピールとともに、感謝の気持ちも

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自分から社会に発信することが難しい重症児者に代わって、生きていくうえで必要なことをお願いしていくことは絶えずしていかなければなりません。一度願いがかなったからと言って、社会の制度や重点施策は常に変わっていくもので、その変化の中で、自分たちの存在をアピールし続けないと、いつのまにか埋没してしまうかもしれません。

そのような意識で訴え続ける一方で、もし自分が重症児者本人なら「感謝の気持ちも伝えたい」と思うでしょう。

私たちの訴えに忙しい時間を割いてくれ、できるだけのことをしようとしてくれている障害福祉を担う方たちに、面談の最後には「ありがとうございました」と必ずお礼を言います。それが重症児者の気持ちを代弁することにもなるだろうと考えるからです。 

皆さんもぜひお付き合いください

神奈川県守る会として行政訪問をする際に、そこの市町村に住む方がお一人でも同席していただくと、行政としても対応に熱が入ります。

会員名簿で住所がわかる方には、お住まいの市町村を訪問する際にお声をかけますので、もし都合がつけばぜひお付き合いくださるようにお願いいたします。

 

 

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