神奈川県重症心身障害児(者)を守る会

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神奈川支部 : 伊藤 光子




第20回学習会「重症児者の親として今、何をしなければならないのか」  当会役員 佐藤泰彦 

第20回学習会「重症児者の親として今、何をしなければならないのか」  当会役員 佐藤泰彦 

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第20回学習会を、平成27年5月9日、第49回総会に引続き開催いたしました。

今回は、社会福祉法人みなと舎理事長飯野雄彦先生に、「重症児者の親として、今、何をしなければならないのか」と題するご講演をいただきました。

飯野先生は、昭和45年に「小さき花の園」に携わられて以来、重症心身障害児者の入所施設で10年、通所施設で18年、知的障害者関係の施設で10年、病院と法人創設で6年、合計44年にわたり障害児者に関わってこられ、現在も、生活介護、療養介護、短期入所、共同生活介護、居宅介護、移動支援、相談支援などの事業の最高統括責任者をされていらっしゃる方で、まさに今回のこのようなテーマでお話を伺うには最適任の方です。

先生からのお話の一つとして、「本人中心支援」という言葉を使われて、支援はいつも本人中心でなくてはならない、というお話がありました。

子を思う親の心とよく言いますが、それは子供が親の心を動かしているのです、そのようなことと同じで、社会福祉法人も施設も本人が創り建てたのです。そのような場で支援する立場の人は、施設を良くするにはと考えるのではなく、利用者であるメンバーさんの人生を豊かにするためにこの仕事があると考えることが必要とのことでした。

そして、親の会もその支援する立場の人と同じ立ち位置にあり、本人の人生を豊かにするという目的は同じと言えますが、親と支援者には本来的な違いもあるのです。支援者と本人との関係は社会的関係の3人称であるのに対し、親との関係は親子関係という2人称であり、何処に生活していても、離れて生活していても、「傍に居るよ」と心で寄り添うことは親にしかできないことでして、親はかけがえのない存在である筈とのお話に繋がり、大切な示唆をいただきました。

ただ、一方では親は、本人の自己決定の最も近い代弁者であるとの立場でもあること、その意味では支援者と対等の立場であることも忘れてはならないとのお考えも語っていただきました。

「本人中心支援」のためには、3つの制約、即ち、①制度的制約、②環境的制約、③金銭的制約、をこえていかなくてはならないというお話もありました。その一つの、制度的制約をこえることについては、SCP(System Center Plan)から、PCP(Person Center Plan)へ換えることが大切で、支援計画が本人中心に作成され、その支援に必要なサービスが無かったら、制度を作っていくという考え方に変えることが必要だと考えていらっしゃるとのことでした。

守る会については、これを運動体としてとらえると、障害者施策に関わっては、事業体としての社会福祉法人、行政体としての国・都道府県・市町村があり、それぞれ違いがあるので、その3者がうまく連携を取っていくのが大切と考えているが、本人に一番近いのは運動体であることを忘れてはならない、というお話もありました。

最後に、活動する時に大事なこととして、4つのL、即ち、①Love(大切にすること)、②Light(希望を持つこと)、③Life(人生・命に光を当てること)、④Laugh(喜びにすること)、があるとして、ご講演は締めくくられました。

今回の先生のお話は、多岐にわたるもので、そのすべてが重症児者の親がしなくてはならないことに結び付くものでして、大変貴重な学習会となりました。ここでご紹介したものはその一部です。飯野先生誠にありがとうございました。

 

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